やんごとなき
「やんごとなき」とは、高貴・特別・貴重のことを意味する日本語表現である。
漢字で止む事無しと表記するように、もともとは「(その状況が)終わりを迎えることは決してない」という意味合いを持っていた。そこから転じて「尊ぶべきだ・高貴だ・とても大事だ・捨て置けない」というように派生した意味で用いられることが増えて定着した。
現代におけるシンデレラストーリーで、貧しかったり身分を持たない庶民が高貴な身分やそれに準ずるセレブな異性と出会いその家柄に嫁ぐことである。あるいは、特別だったり貴重な体験をして幸福を感じる状態のこと。
かしこまった場面で、どうしても外せない大事な用件があるときに用いられるビジネス用語。ただし本来は相手を立てる言葉なので自分に対して使う場合は「やんごとなき」より「よんどころない」のように、やむを得ない意味が強い言葉を用いる。
断りを入れる理由が、止むに止まれぬどうしようもない状況であること。のっぴきならないほどの状態や、誰もが納得できる重要な事情。
王族や貴族のように高い身分の人や、代々続く名家や家柄の生まれの人。雲の上のような偉い人も含まれるが、何かにつけ優遇されている人に揶揄を込めて呼ぶこともある。
尊い身分・家柄・名家の一族や一門に属する人や、家そのものを指す時に使う。漫画家こやまゆかりの作品「やんごとなき一族」がフジテレビ系列のテレビドラマとして実写化されている。主人公の庶民の女性が江戸時代から続く名家の御曹司と恋に落ちるが、嫁いだ先で巻き起こる理不尽な世界に翻弄される姿が描かれている。
外すことのできない重要な用事のことで、古くは蜻蛉日記にある「うちにしも、やむごとなき事ありとて(宮中によんどころない用事がある)」ように重要な場所や特別なところに関わる用事のことも指している。
畏れ多い、大事なことなのでそのまま捨て置けない様子。由緒がある、歴史があるもののように時間に特別さを感じる物事。
・これからお会いする方は、やんごとなき御身分だから気をつけるようにしなさい。
・やんごとなき生まれなのに、全く偉ぶる様子がない。
・突然やんごとなき地位についたので、戸惑っている。
・結婚するなら、やんごとなき一族の人と結ばれたい。
・やんごとなきお方を目の前にして緊張している。
「重要な・やむを得ない」の意味で使う場合
・やんごとなき状況に困り果てている。
・上司からやんごとなき事情で呼び出された。
・やんごとなき用件で会議に遅れてしまった。
・これはやんごとなき案件だからと口止めされた。
・やんごとなき用事で休んだのは嘘だったのか。
「やんごとなき」とは・「やんごとなき」の意味
「やんごとなき」とは、古文と呼ばれる古くからある日本語の「やんごとなし」の連用形である。「やんごとなし」は、「止む事無し(やむことなし)」が一語化した言葉だ。貴重あるいは特別な意味として非常に高い身分や家柄の生まれの人を指したり、大事なものだからこそそのまま捨て置けない・なおざりにできない状態を表すときに使われる。源氏物語の冒頭の一節に「いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めき給ふありけり(それほど高貴な身分ではない方だけど、帝から際だって寵愛を受けて栄えた方がいた)」とあるように平安時代に使われた言葉であるけれど、21世紀でも変わらない意味で通用する。やんごとなしの言葉自体はすでに廃れており現代語には残っていないが、やんごとなきは雅な表現として今なお用いられているからだ。漢字で止む事無しと表記するように、もともとは「(その状況が)終わりを迎えることは決してない」という意味合いを持っていた。そこから転じて「尊ぶべきだ・高貴だ・とても大事だ・捨て置けない」というように派生した意味で用いられることが増えて定着した。
「やんごとなき」の熟語・言い回し
やんごとなき幸せとは
現代におけるシンデレラストーリーで、貧しかったり身分を持たない庶民が高貴な身分やそれに準ずるセレブな異性と出会いその家柄に嫁ぐことである。あるいは、特別だったり貴重な体験をして幸福を感じる状態のこと。
やんごとなき事情とは
かしこまった場面で、どうしても外せない大事な用件があるときに用いられるビジネス用語。ただし本来は相手を立てる言葉なので自分に対して使う場合は「やんごとなき」より「よんどころない」のように、やむを得ない意味が強い言葉を用いる。
やんごとなき理由とは
断りを入れる理由が、止むに止まれぬどうしようもない状況であること。のっぴきならないほどの状態や、誰もが納得できる重要な事情。
やんごとなき人とは
王族や貴族のように高い身分の人や、代々続く名家や家柄の生まれの人。雲の上のような偉い人も含まれるが、何かにつけ優遇されている人に揶揄を込めて呼ぶこともある。
やんごとなき一族とは
尊い身分・家柄・名家の一族や一門に属する人や、家そのものを指す時に使う。漫画家こやまゆかりの作品「やんごとなき一族」がフジテレビ系列のテレビドラマとして実写化されている。主人公の庶民の女性が江戸時代から続く名家の御曹司と恋に落ちるが、嫁いだ先で巻き起こる理不尽な世界に翻弄される姿が描かれている。
やんごとなき用事とは
外すことのできない重要な用事のことで、古くは蜻蛉日記にある「うちにしも、やむごとなき事ありとて(宮中によんどころない用事がある)」ように重要な場所や特別なところに関わる用事のことも指している。
やんごとなきこととは
畏れ多い、大事なことなのでそのまま捨て置けない様子。由緒がある、歴史があるもののように時間に特別さを感じる物事。
「やんごとなき」の使い方・例文
「高貴な身分の人」という意味で使う場合・これからお会いする方は、やんごとなき御身分だから気をつけるようにしなさい。
・やんごとなき生まれなのに、全く偉ぶる様子がない。
・突然やんごとなき地位についたので、戸惑っている。
・結婚するなら、やんごとなき一族の人と結ばれたい。
・やんごとなきお方を目の前にして緊張している。
「重要な・やむを得ない」の意味で使う場合
・やんごとなき状況に困り果てている。
・上司からやんごとなき事情で呼び出された。
・やんごとなき用件で会議に遅れてしまった。
・これはやんごとなき案件だからと口止めされた。
・やんごとなき用事で休んだのは嘘だったのか。
やんごとなき
別表記:止んごとなき、止む事無き、やむごとなき、止ん事無き
「やんごとなき」は、「高貴である、家柄や身分がとても高い」または「特別に大切である、放っておけない」という意味で用いられる古語または雅語である。「やんごとなき」は「やむごとなし」の連体形であり、名詞を修飾する。
「やむごとなし」は漢字では「止む事なし」と表記される。もともとは「(その状況が)終わを迎えることは決してない」というような意味合いの表現であり、転じて「捨て置けない」「とても大事だ」「尊ぶべきだ・高貴だ」という意味が派生したと解釈される。発音上は撥音便(ん音便)が生じて「やむごと → やんごと」と変化している。
「やむごとなし」は古語として既に廃れており、現代語には残っていない。その連体形である「やむごとなき(→ やんごとなし)」は、古語由来の雅な表現として、現代でも用いられることがある。
「やんごとなし」は方言ではない。
フジテレビ系列のテレビドラマ「やんごとなき一族」は、こやまゆかりの漫画の実写化作品である。清貧な主人公の女性が、江戸時代から続く名家の御曹司と恋に落ち、そして名家の華やかさの裏に潜む伏魔殿のようなドロドロの世界に飛び込んでゆく物語を描く。
「やんごとなき事情」という場合の「やんごとなき」は、「高貴な」という語義ではなく、「特別の」「大切な」という語義である。
「やんごとなき」は、「高貴である、家柄や身分がとても高い」または「特別に大切である、放っておけない」という意味で用いられる古語または雅語である。「やんごとなき」は「やむごとなし」の連体形であり、名詞を修飾する。
「やむごとなし」は漢字では「止む事なし」と表記される。もともとは「(その状況が)終わを迎えることは決してない」というような意味合いの表現であり、転じて「捨て置けない」「とても大事だ」「尊ぶべきだ・高貴だ」という意味が派生したと解釈される。発音上は撥音便(ん音便)が生じて「やむごと → やんごと」と変化している。
「やむごとなし」は古語として既に廃れており、現代語には残っていない。その連体形である「やむごとなき(→ やんごとなし)」は、古語由来の雅な表現として、現代でも用いられることがある。
「やんごとなし」は方言ではない。
「やんごとなき人」の意味
「やんごとなき人」の意味は、貴人、名家の出身の人。「いわゆる上級国民」の意味で(揶揄を込めて)「やんごとなき人」と呼ぶ場合もあり得る。「やんごとなき一族」の意味
「やんごとなき一族」の意味は、名家の一族、高貴な家柄の一門。あるいは名家そのもの。フジテレビ系列のテレビドラマ「やんごとなき一族」は、こやまゆかりの漫画の実写化作品である。清貧な主人公の女性が、江戸時代から続く名家の御曹司と恋に落ち、そして名家の華やかさの裏に潜む伏魔殿のようなドロドロの世界に飛び込んでゆく物語を描く。
「やんごとなき事情」の意味
「やんごとなき事情」の意味は「のっぴきならない用事」や「どうしても外せない大事な用事」、あるいは「とても重要な事柄・大事」「特別な理由」など。「やんごとなき事情」という場合の「やんごとなき」は、「高貴な」という語義ではなく、「特別の」「大切な」という語義である。
止ん事無き
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